睡眠時間はとれているのに、朝すっきり起きられない、日中の眠気、疲労感がある方は、
質の良い睡眠がとれていない事が原因かもしれません。
質の良い睡眠で得られる事、その為に出来る5つの生活習慣を解説します。
質の良い睡眠がとれていると体に起こる良い事

体の疲れが軽減
睡眠時に分泌される成長ホルモンが、日中の活動で傷ついた体を修復します。
成長ホルモンは深い眠り(ノンレム睡眠)中に多く分泌される為、睡眠の質を上げて深い眠りを増やす事で疲れ軽減に繋がります。
ストレス解消
副交感神経が優位になり、心身がリラックスします。
ストレスホルモンであるコルチゾルの分泌が抑えられてストレスが貯まりにくくなります。
肥満防止
食欲をコントロールするホルモンの分泌バランスが整い、肥満防止に繋がります。

睡眠時間が7~9時間の人と比べて、6時間の人では肥満傾向が23%増加、5時間の人では50%増加するという研究結果があります。
睡眠の質だけではなく、時間もしっかり確保したいですね。
アンチエイジング効果
深い眠りの時に分泌される成長ホルモンは肌を修復し、新陳代謝を活性化する働きがある為、美肌効果に繋がります。
眠りのホルモン、メラトニンは抗酸化作用があり老化防止、健康維持に役立ちます。
睡眠の質をあげる5つの生活習慣

睡眠の質を上げる為のポイントは以下のとおりです。
・体内時計を整える
・ 眠りのホルモン、メラトニンを分泌させる
・成長ホルモンを分泌させる
・就寝時に深部体温を下げる
その為に出来る5つの生活習慣を見ていきましょう
1、朝と夜の光を使い分ける
毎日、規則正しい時間に起床、就寝し体内時計のリズムを整えます。
朝日を浴びて約14時間後に眠くなるので起床後はカーテンを開けたり、外に出て太陽の光を浴びましょう。
光を浴びる事で、眠りのホルモンであるメラトニンの原料になるセロトニンが分泌されます。
夜の強い光は眠りのホルモン、メラトニンの分泌を抑えてしまいます。
寝る時間の90分前にはスマートフォンやパソコンなどの使用を控えましょう。
室内の照明は暖色系にする事がお勧めです。
2、 定期的に運動する
日中に適度に体を動かすことでストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、リラックスし寝付きが良くなります。
深い眠りが増え、成長ホルモンが多く分泌されるので、体の回復効果が高くなり、疲れがとれて美肌効果、健康維持にも繋がります。
長続きするような軽いランニングやウォーキングなどの有酸素運動がお勧めです。
1日8000歩位歩くことが理想ですが、週3〜4日でも効果があります。
夕方以降の激しい運動は逆に睡眠を妨げるので控えます。
3 、食事内容を整える

朝食をとる事で体内時計がリセットされ、目覚めを促します。
眠りのホルモンであるメラトニンはアミノ酸であるトリプトファンが原料となり、体内時計や栄養素によって作られたセロトニンから合成されます。
トリプトファンを含む魚や肉、大豆製品、卵などのタンパク質、吸収に必要な炭水化物、
セロトニンが合成される時に必要なビタミンB6を多く含む食材をバランス良くとりましょう。

多く含む食品 | |
トリプトファン | 大豆製品、卵、肉類、カツオ、マグロ赤身、青魚、玄米、蕎麦、ゴマ |
ビタミンB6 | 魚、にんにく、生姜、赤パプリカ、ブロッコリー |
トリプトファン、ビタミンB6両方含む | バナナ、豆腐、納豆、カツオ |
就寝前の食事は、胃腸に負担がかかり、眠りが浅くなります。
出来れば就寝の2時間前には夕食を済ませましょう。
夕食が遅くなる場合は脂肪分の少ない、消化の良い物にしましょう。
カフェインの覚醒効果は個人差が大きいですが、一般的には3〜5時間と言われています。
夕方以降はコーヒーやお茶、エナジードリンクなどは控えましょう。
アルコールは、寝付きは良くなりますが、眠りは浅くなります。量はほどほどに、就寝3時間前には済ませましょう。
4 、効果的な入浴をする
体の内部の深部体温が下がると眠くなります。
深部体温は下がる前にいったん上げると、その分深く下がる為、就寝時間の2時間位前に湯船に浸かり、体を温めましょう。
5 、寝室、睡眠環境を整える
寝室の最適な室温、湿度は
夏:室温25〜27°C前後
冬:室温15〜18°C前後
湿度:通年50〜60% です。
エアコンや加湿器などで上手に調整しましょう。
足が冷えるから、と靴下を履いたまま寝ると熱が放出されずに眠りが浅くなってしまいます。
冷え性の方は、ゆっくり湯船に浸かったり、にんにく、生姜、発酵食品などの食事で体の中から
温まりましょう。

歯磨きをすると目が冴えてしまうことがあります。
歯磨きは寝る直前にならない様にすると眠りの質が良くなるかもしれませんよ。

確かに!
眠い時に歯磨きしたら目が覚めた経験があるよ。
逆に眠くて困る時は、歯磨きするのも手だね!
どうしても睡眠不足になる場合の解消方法

つい休日に朝寝坊をしたくなりますが、体内時計がずれてしまい逆効果です。
出来れば、平日に数十分ずつでも早く寝ることが理想ですが、難しい場合は
休日、朝はいつも通りに起床し、日中30分以内の昼寝をする、夜に早く寝る様にします。

週末の寝だめは出来ないの?
いつも夜は遅くなっちゃって、朝はギリギリに起きる生活だよ。

残念ですが、寝だめは出来ませんよ。
自分の最適な睡眠時間に近づける為に、少しでも早く眠れる様に時間の見直し、質を良くして睡眠時間を最大限に効果的にすることが大切ですね。
まとめ

質の良い睡眠がとれると、体、心はもっと健康になれます。
その為に出来る5つの習慣は
1. 朝、太陽の光を浴びて、夜は強い光を控える。
2. 適度な運動習慣をつける
3. トリプトファン、ビタミンB6を含んだバランス良い食事を摂り、アルコールも寝る3時間前には済ませる。夕方以降はカフェインは避ける。
4. 寝る2時間前に入浴し湯船で体を温める。
5. 寝室の温度は、夏は25〜27°C前後、冬は15〜18°C前後に、湿度は通年50〜60%に保つ。
ぜひ、ひとつでも出来ることから試してみて下さい。
睡眠をしっかりとって心地良い毎日が送れると、きっと未来が変わりますよ。
筆者の独り言
時間が無くて入浴はシャワーだけ、ついつい夜更かしになってしまっていた時は、朝の目覚めは最悪、午前中はエンジンがかからない毎日でした。(同じような方、多いはず・・・)
一念発起して5分でも湯船に浸かるようにし、寝室の温度、湿度を調整した所、目覚めが変わってきました。頭の覚醒具合が違います!
大きな音で起こされる目覚ましはドキドキしてしまい不愉快なので、光と鳥のさえずりで起こしてくれる目覚ましを使っています。
ぜひ、出来ることから始めてみてください。体が変わりますよ。